小さな会社の稼ぐ技術

中小企業だからできる戦略がある。

大手に立ち向かう中小企業のゲリラ戦の内容が紹介されている。

 

まとめ
⚪︎弱者の戦略
1、差別化 強い会社と違う事をする
強い敵とは戦わない。自分より強くて大きなライバルがいない市場、強いライバルが少ない市場を選ぶ。市場、地域、客層、営業方法を差別化
2、小規模一位、部分一位。何かで一位
人は1位しか覚えない。
何かで1位をとると口コミや紹介が一気に増え、結果として利益も増える
3、あれこれしない。1つに絞る
強者な何でもやる。弱者は1つに絞る
4、エンドユーザーに直接営業する
常に相手の上をいく作戦を考える

⚪︎経営の8大項目
1、商品 何を
まず、何をやるのか?
2、地域 どこの
成功しやすい場所を探す
3、客層 誰に
勝てない層は思い切って捨てる
4、営業 どうやって新規客をつくるか
アナログ、面倒、泥臭いで大手と差別化
5、顧客 リピート、ファン、信者作り
6、組織 人事、研修、やる気、活気なども含む
7、資金調達と配分
店や設備などに必要以上にお金をかけない
8、時間  働く時間、働き方
長時間努力した者が勝つ。早起き長時間労働

 

「深く穴を掘れ。穴の直径は自然に広がる」

⚪︎ザイアンスの単純接触効果の概略
しらない人には攻撃的になり、警戒心をもつ
接触回数に比例して好意を抱く
その人の人間的側面を知るとより親近感を抱く

ライバルより常に一歩、お客様に近づく

 

大切な事は、弱者の4つの戦略に全て集約されている。

とにかく一つの分野で1位を取る事が大切。

その1位を掘り下げていけば、自然に広がりを見せるのである。

私も1位を目指して精進あるのみ❕

 

伝え方が9割

言葉には力がある。

この本を読んで「太陽と風を」思い出した。

人を動かすには「言葉」がとても有力なのです。

まとめ

⚪︎ノーからイエスに変える3つのステップ
step1、自分の頭の中をそのまま言葉にしない
step2、相手の頭の中を想像する
step3、相手のメリットと一致するお願いをつくる

step2の7つの切り口
1、相手の好きな事=自分のメリット
メリットがあるよという言い方

2、嫌いな事回避
相手にとって嫌な事を回避する事=自分のメリット

3、選択の自由
「相手の好きな事」からの応用
人は決断が得意ではない
2つの選択肢がある時の比較が得意
相手にとって選択肢出来るメリットがある=自分のメリット

4、認められたい欲
認めている言葉から始める事で、面倒な事でもやってみようとする気持ちが生まれる

5、あなた限定
その人の名前を使い「私こそが必要と思ってくれている」と思わせ、心を満たす事で相手のメリットに変える

6、チームワーク化
面倒な事であっても、人と一緒であれば動くもの
自分も動く事が前提

7、感謝
感謝から入るとノーと言いにくい

 

◎お願いは相手との共作
相手の事を想像して言葉を作る事でイエスになる確率が上がる
それは相手にとつてもメリットであり、本能的にそうしたいと思うから
「ノーをイエスに変える技術の答えは、相手の中にある」
自分と相手のハッピーを一緒に作り上げる

 

強い言葉=心を動かすエネルギーのある言葉
ジェットコースターのように高低差をつける
⚪︎強い言葉を作る5つの技術
サプライズ法
「!をつける」「びっくり、〜」「そうだ、〜」「ほら、〜」「実は、〜」「凄い、〜」「信じられない、〜」「あ、〜」
サプライズワードを自分が驚いた時ではなく、相手の心を動かしたいときに使う

ギャップ法
1、もっとも伝えたい言葉をきめる
2、伝え言葉の正反対のワードを考え、前半に入れる
3、前半と後半がつながるよう、自由に言葉を埋める

例:事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ

赤裸々法
体温を感じさせ、時に詩人のようなニュアンスを作り出す
1、もっとも伝えたい言葉を決める
2、自分の体の反応を赤裸々に言葉にする(体の反応を想像
3、赤裸々ワードを伝えたい言葉の前に入れる

リピート法
繰り返すと記憶に残りやすい

クライマックス法
これだけは覚えて欲しい+メインの話
1、いきなり伝えたい話をしない
2、クライマックスワードから始める

 

自分の主張だけしてはダメなのだ。

 

ノーからイエスに変える為には人の事を考えて、その人にとって何がメリットか?

そこが掴めれば、相手と自分のメリットを同化できれば、ウィンウィンの関係=イエスの関係になれるという事。

これは営業という仕事をしていると感覚的にやっている事ばかり。今回言葉にして認識できたという事は非常に良かった。

また言葉のエネルギーはジェットコースターのように高低差からできるという例えはわかりやすい。

大喜利に役たちそう。。

 

「売る」から「売れる」へ

マーケターにもいろんなタイプがいてるようで、今回はクリエイティブディレクターの本を読んでみました。

 

第1講
⚪︎売れるをつくる3つの方法
1、発明する 既にあるものの組み合わせで新しいものを作ればいい
2、ブームをつくる 広告キャンペーン
機能やスペックで違いを出そうとしても、買う側からすれば、よく見なければわからないような差しかつくれない。それでもと無理やり大きな差を作ろうとすると、今度は誰も欲しがらないような、おかしな商品を作ることになる。
飽和状態。逆に言えば、消費者はもはや、機能やスペックで商品を選ぶのが難しい
3、ブランドをつくる
ブランドとは「らしさ」
企業が発信するアウトプットがブランドを形作る。
ブランドとは見え方のコントロールである。

第2講
デザインは誰にでも使いこなせる
センスとは集積した知識をもとに最適化する能力
⚪︎センスを磨くには
1、王道、定番を知る
客観的にみる。基準が見えてくる。ポジション付けが出来るようになる。
2、流行を見つける
情報をかき集める。
3、共通点をみつける
知識を蓄える事も確かに重要だが、きちんと咀嚼して「自分なりの知識に精製する」その為の方法がたくさんものを見て通底する共通点やルールを見つけ出すこと
問題を見つける能力が大切。どうすれば見つかる?受け手側で考える!

第3講
世の中をあっと驚かせようとしてはいけない
無理をして不必要に奇抜なものは受け入れられなかったり、売れなかったりすることが少なくない。あっと驚かせる事にこだわってはいけない。
ブランドの力で差別化し、ブランドの力で消費者に選んでもらう。

⚪︎ブランド力がある企業の3条件
1、トップのクリエイティブ感覚が優れている。
2、経営者の右脳としてクリエイティブディレクターを招き、経営判断を行っている。
3、経営の直下にクリエイティブ特区がある事
トップもしくわ外部から、もしくは社内の力を結集して部門としてブランディングに取り組んでいる会社がブランド力ある会社ということ
あくまでもブランディングは手段。大切なのはその先にある目的。
企業の活動は目的と大義から始まる

要はクリエイティブに対して理解がある人が、会社の中で発言権を得れているか。
会社を動かす立場にいなければ、いくら理解があっても難しいよねという事でしょうか。

第4講
ブランディングを考える上で大切なのは似合う服を着せる事。流行を着せだからと言って似合うものではない。

ブランディングに取り組む時も、らしさ、つまりは企業ならではの個性や魅力、もち味を見つけるために、その企業や事業、業界、市場の状況などについて徹底的に調べるところから始める。
その中にらしさの手がかりがある。
あまり考えすぎず、時間を決めてイメージを出していく。一番大切なのは、みんなが聞いてわかるものをみつける。もっと言えば、人の意識のわりと浅いところにあって、何となく知っているけど、まだフォーカスされていないところを見つける。
疑問を抱く様なイメージはピンとこないイメージなので、共感されにくい。
アウトプットの完成度に時間をかける。

広告を含めて企業のコミュニケーション作りをする時、必ず擬人化する。もし人だったら世の中の人にどんな人だと思われるのがいいか?どんな人に見られたい?

まとめ
⚪︎センスとは集約した知識をもとに最適化する能力
⚪︎世の中をあっと驚かせてはいけない。差別化というものへの誤解
⚪︎ブランドは細部に宿る
企業が発信するアウトプット全てのみえ方をコントロールする事が大切

非常にわかりやい本でした。
センスという曖昧な能力を分析し、短い言葉で表現されているのにはとてもセンスを感じました。

 

USJを劇的に変えた、たった一つの考え方

心理学がマイブームとなり、フロイトの「人はなぜ戦争をするのか」を読んだのですが、急ブレーキ。というか頭が微妙について行っていない感じ。

全て読み終えてもなんとなく、自分なりに全体像がつかめていな方ので、これは段階を踏んで再度挑戦しようと思います。

 

という事で、ジャンルを変えてマーケティングの本を読んでみました。

集団の人の動きを誘導するマーケティングは職は違えど、人を扱う商売。

何かまた面白い発見があるに違いないという期待感でワクワクしています。

 

⚪︎マーケティングの役割

マーケティングは会社の頭脳でもあるが、それと同時に多くの部署を動かす会社の心臓の役割も担う」

「どう戦うかの前に、どこで戦うかを正しく見極める事」

会社の限られた資産をどこに投資するか?そこを見極め、どれだけの割合で投入するか?ここがはっきりしていないとどうしょうもないよ。という事。

これは是非会社のトップに読ませてあげたい。

 

「値段を最終的に決めているのは市場であり、消費者である。
値上げして個数も増やすには1つしかない。先にブランド価値を顕著に高めておいて、価格弾力性をできるだけ小さくしておくこと」
変えたことは消費者視点という価値観と仕組みに変えた
消費者の方を向いて消費者の為に働け。消費者を上司だと思え
どれだけの消費者価値につながるのか
「ゲストが本当に喜ぶもの」と「ゲストが喜ぶだろうと作る側が思っているもの」は必ずしも一致しない
マーケターは消費者理解の専門家。会社のお金の使い道や従業員のあらゆる努力を消費者にとって意味のある価値に繋がるようにシフトさせる事
作ったものを売る会社から、売れるものを作る会社に
部門間や個人間の利害やしがらみをぶった切ってでも、消費者価値としてのベストを押し通す強力な意思決定の仕組みが必要。会社のトップが意識的に権限を与えなくては実現しない。
落とし所はほとんどの場合において消費者最適ではない。
自分起点で周囲を説得したおして人を動かす事が重要」

ここがマーケティングの真髄なのでしょう。

とてもシンプルでそりゃそうだと頷ける話。でも出来ているかといえば、出来ていない会社が多いのだろう。

頭でわかっても、実行に移すにはさらなる努力が必要だ。

具体的なマーケティングの方法をもう少し、詳しく書いてあるのが5章「マーケティングフレームワークを学ぼう」である。

 

「誰でも使いやすいようにiPhoneを開発した
ボタンを無くすためにタッチパネルという方式を採用した。タッチパネルを発明したからiPhoneを作ったのではない」

うちの会社は‥

 

「期待を上回るサービスは印象に残る
売るというより売れるようにふる仕事がマーケティング
マーケティングの本質は売れる仕組みを作ること。消費者と商品の接点を制する
接点→消費者の頭の中、店頭、商品の使用体験
brand equity→消費者の頭の中にあるブランドに対する一定のイメージ
brandequityを築くための一連の活動をブランディング
選ばれる必然を作る事
店頭を制する 配荷率 自社ブランドがどれだけ多くの店頭で扱われているか。消費者が買える場所に商品がどのくらいの割合で展開されてるか。
流通業者に対して競合ブランドよりも自ブランドを扱うメリットをどう作るか

良い戦略かどうかを判断する4s
selective 選択的かどうか?
sufficient 十分かどうか?
sustainable 継続可能かどうか?
synchronized 自社の特徴との整合性は?
素晴らしい戦略は相手と自分の特徴の違いを自分に、有利に活用出来ている

 

⚪︎マーケティングフレームワーク

戦況分析→目的→who→what→howの順番で考えていく型をマーケティングフレームという

⑴戦況分析

戦況分析を本気でやる理由は、市場構造に逆らって確実に失敗する地雷を避けるため。そして出来れば市場構造を自分の味方につけられるような戦略がないかを考えるため
戦況分析のための5C
Company 自社の理解
自社の全体戦略を理解する。自社の使いうる経営資源をできる限りたくさん把握する。自社の能力や性格としての特徴(強み、弱み)を把握する。
Consumer 消費者の理解
消費者を量的に理解する事(数値データを用いて広く全体像を理解するのに役立つ)と消費者を質的に理解する事(質的調査などを通して消費者の深層心理に迫る事)の両方が重要
消費者インサイト=消費者自体が気づいていない、あるいは直視したくない隠れた真実のこと。ここをマーケターが意図的につくと消費者の心を大きく動かす事ができる
Customer 流通などの中間顧客の理解
協働して市場価値を作り上げているパートナーとも言えるし、市場価値のパイを奪い合っている競合とも言える
Competitor 競合する他社の理解
広義においての競合理解までやっておかなくてはならない
自ブランドが消費者に提供している価値が何なのか?を正しく理解していれば、着眼すべき競合の姿は明らかになる
Community ビジネスをとりまく地域社会の理解
例えば法律などの規制、世論、税率、景気、為替レートなど
自社ビジネスに多大な影響を与えるcommunity 要素のドライバーを予め明確にしておく事、その動静をモニターして変化の兆しに細心の注意を払うこと

 

⑵目的の設定の3つの点
実現可能性
シンプルさ
魅力的かどうか

 

⑶WHO誰に売るのか?
消費者を選ぶ理由
限られたリソースを消費者全員に投下すれば、一人当たりのリソースは薄くなってしまう
消費者全体の中でも買う確率や購買欲に大きな偏りがある
満たすべき消費者ニーズに偏りがある

 

戦略ターゲット
ブランドがマーケティング予算を必ず投下する最も大きなくくり
この戦略ターゲットのくくりが目的達成に照らして小さすぎないようにする事が大事
コアターゲット
戦略ターゲットの中で、更にマーケティング予算を集中投下するターゲット消費者
このコアターゲットも目的達成に照らして小さすぎないようにする事

*コアターゲットの見つけ方
1、ペネトレーション
カテゴリーの中で自ブランドの世帯浸透率を増やせるグループはいないか?
2、ロイヤルティ
既存の使用者の中でSOR(一年間に消費ふるそのカテゴリー全体の消費量に対する自ブランドこ消費量の割合らカテゴリー消費量に占める自ブランドのシェア)を伸ばせるグループはいないか?
3、コンサンプション
既存の使用者の中で一回あたりの消費量を増やせるグループはいないか?
4、システム
既存の使用者の中で使用商品の種類を増やせるグループはいないか?
5、パーチェスサイクル
既存の使用者の中で購入頻度を上げる理由を作れるグループはいないか?
6、ブランドスイッチ
競合ブランド使用者の中にブランド変更の可能性の高いグループはいないか?一番ハードル高い

 

消費者インサイトとは、消費者の隠された真実

インサイトをつかれることで消費者は自社ブランドのベネフィット(商品便益)を大幅に理解しやすくなったり、欲しくなったりする

 

⑷WHAT何を売るか?
自ブランドの消費者価値を選ぶこと。ブランドの存在理由を選び明確にする
「人々は4分の1インチのドリルを欲しいのではない。人々が欲しいのは4分の1インチの穴である」レヴィット博士
自分達が本当に売っているのは何か(消費者の根源的な価値)を考えさせられる名言

ブランドエクイティの中で根源的な便益(買う理由)の構成部分の事をマーケティングフレームワークではWHATと呼ぶ


ポジショニング→ 消費者の頭の中にある競合との相対的な位置付け
ポジショニングは相対的であって、自分が動かなくても相手が動くことで自分のブランドエクイティが動かされてしまう。逆に自分のポジショニングやわ動かすことによって、全く動かない相手を消費者の頭の中で動かしてしまうことも出来る

 

⑸HOWどうやって売るのか?
HOWはWHATをWHOに届けるための仕掛け


マーケティングミックス4P(HOWの主な領域)
1、product領域の目的は、顧客に提供するものを決めること

商品スペックを決める。形状・形体・ネーミング・包装・パッケージ販売
2、price 自ブランドが目指すポジションに適した価格を決めることとその実現

価格戦略の決定。需要に応じた設定・コストに応じた設定・競合他社との関係・価格弾性

3、place 効率的かつ効果的な顧客への販売アクセス方法を決めること

流通経路の設計。卸売業&小売業・販売会社&小売業・小売店のみ・ダイレクトマーケティング
4、promotion 効率的かつ効果的な顧客への情報伝達方法を決めて実現することか

ターゲット設計。コミュニケーション目的設計。プロモーション手段の選定。

広告・販売促進・人的販売・パブリシティ(PR)


WHOの理解が重要。

自分のセンスで判断するのではなく、深く理解した消費者の視点からHOWを判断すれば良い

 

今回はかなりメモの要素が大きい。

マーケティングの本を初めて読んでみたけど、これだけ会社にとって大切な事なのに大手企業でもマーケティングできていない会社がおそらくかなりあるのだろうなと思った。

自社の事を考えても戦術ばかり所員に提案させて各々がバラバラ。

うちの会社こそマーケティングが必要だとしみじみ思った。

マーケティングフレームに当てはめて自分の仕事に置き換えて実践してみようと思う。

ユング心理学がよくわかる本

アドラーの次はユングについての入門書を読んでみた。

 

心には「自分について意識している部分」と「自分でも意識できていない心の奥底の部分」があり、この両者は対照的な性質をもっている。この二つの存在はぶつかり合うものではなく、お互いの足りない部分を補い合うものである。

このバランスが崩れた時、心を患うのである。すなわち「本来は心の奥底に静まっていて表に出ないはずの無意識が暴走した」ということ。

うん、なんかカップルの話みたいね。

 

治す方法に共通する目的

1、当人に病の原因をつきとめさせる。

2、その原因と当人当人を向き合わせて納得させる

3、その原因を克服して強く生きる意志を生み出させる

自分自身が自分の心と向き合い、自分の心の病を理解して、納得する。

それはあくまでも当人の力でなされるべきだと。そのために対話、造形、夢分析がある。

この辺はアドラーと同じですね。

 

言語連想検査

医師側が用意していた単語を患者へ投げかけ、患者は連想する言葉を瞬時にこたえるというもの。

ユングが鋭かったのは言葉に注目するだけでなく「反応スピード」に着目した。

数秒考え込んでしまったり、何も答えれなかったり。そうした場合、「その人の無意識のパワーが心の中でその言葉の連想を妨げている。それほどに、その人にとって辛い、苦しい、思い出したくない何かの原因があるのだ」と考えた。

いいですねーユング個性出てきましたねー

 

無意識を知ってしまえば、その瞬間無意識では無くなって、また新たな無意識が生まれるのだろうか?ふと思った。

興味深い話が書いてあった。

「40歳前後の頃、ユングは人の心の正体が漠然とつかめるようになって、それを目に見える形にしようとした。

心の正体を掴めたような感覚を表すのに、毎日のように『大きな円の模様』を紙に描いた。しかし、それが後から、悟りの心を表した『曼荼羅図』に通じることがわかった。

こりゃすげえ。

ユングは自分の心を形にして観察できるようにいろいろ作ったみたい。

その中でもすごいのは「ユングの塔」

1923年48歳でひとまず完成。そして増築を経て、1935年60歳の時、完成。自分で石を運んで積み上げたのだそうだ。

グレートユング。アートですね。

 

ユングの夢の話は世界観半端ない

「夢」は当人にも理解しきれない心の奥底を映像として見せてくれるもの

ユングは個人的な事ばかりでは無く、神話や昔話など、もっと幅広い人間の文化とも夢の内容に関連付けた。「人の心には個人的な体験や知識を超えた共通の部分がある」

「歴史的な文化や文学とは、人それぞれが知識として知ら無くとも、その大体は人類に共通したもので、誰の心にもあるものだから」

夢の中で見る実際に見た事ないような景色などはこうした個人の体験を超えた意味があるという事みたい。なんか壮大になってきたで。

夢は自分の無意識世界を目に見える形に例えたもの。

ここに人の無意識を知るヒントがあると目をつけたわけですな。

何か今日どんな夢見るかわくわくしてきたぜ。

 

夢に登場する人や物が「それその物の存在」として表れた場合→客体水準

「無意識を例えた物」だった場合→主体水準

 

ここでフロイトとの対比

フロイト

無意識は意識が抑え付けている欲望の固まり。理性(意識)で欲望(無意識)を抑えている状態。心の病とは欲望が理性によってあまりに強く押さえられすぎたり、歪められた時に、無意識が意識に対して激しく反発した症状。無意識とは抑え付けられた恨みを晴らす為に、意識に復讐する存在。悪役みたいなもの。

 

ユング

無意識の反発とは、心の歪みを知らせてくれる警告。この警告に耳を傾け、意識と無為意識が協力し合わなければならない。悪役ではない。

 

なんとなく性格がわかる気がする‥

 

人の心が持つ力は4つの種類に分けられる。

感情↔︎思考

直感↔︎感覚

普段の性格や行動を、一つの機能が大きく影響している。

その機能とセットになっているもう一つの機能が「無意識」の中に大きなエネルギーとなって潜んでいる。

思考機能=その対象物は論理的にどんな物かを理解する力

感情機能=それが気持ちの良いものか、不快なものかを決める力

感覚機能=対象物そのものの色や形、大きさや位置などを把握する力

直感機能=ひらめき力

この4機能に外交的態度と内向的態度を合わせて8つの個性のタイプを見出した。

 

コンプレックス

理性的、客観的に判断すればなんでもない事なのに、自分の心だけがどうしてもこだわってしまう事。無意識の中のこだわり。コンプレックスが暴走する前に、自覚し、それを意識の中に受け入れる事が大切

 

元型について

ユングは人の行動が本能によって決められるように、人の心の感じ方にもそれを決める基本があると気づいた。

母親=包みこんでくれるもの。と感じるプログラムが人の心に初めから備わっている。これが元型。

神話に触れてなるほどと共感できるのは神話の根本に元型が影響しているから。

普遍的無意識は様々な元型の集まり。

 

男が持つ女の心=アニマ

女が持つ男の心=アニムス

 

ペルソナ

自分の役割を果たさねければならないと思う心があり、また他人に、その人の役割を期待する心がある。集団に向けてつける仮面のこと。

合うペルソナも合わないペルソナもある。

自分にぴったりだからといってたった1つのペルソナだけにしがみつくと、幅広い人間社会では生きられなくなる。

大人のペルソナを拒否する人を永遠の少年と呼んだ。

 

シャドー

当人が嫌って否定する悪が、無意識の中に依存する事を発見した。

シャドーはある意味で人生のもう一つの可能性を導く

悪魔とは人が誰しも持つシャドーの例えの姿。その存在をまず認める事。

意識する事によってシャドーの危険なパワーを無力化出来る

妙に感情的に反発する他人とは、実は自分のシャドーを投げかけた相手である。この様な心の動きを投影という。
投影とは意識が否定したがっている自分の心を他人の心の様に解釈して、その相手を否定し、攻撃すること。そうすることによって、私自身には、そんな嫌な心はないのだと自分で自分を誤魔化そうとするのです。
投影だと気がつきさえすれば、プラスに働く。他人に託した事によって自分の心の闇をはっきりとりみれるから。

ある人種にものすごく腹が立つ時がある。それは自分に対する怒りであったのか‥

全く気がつかなかった。そしてわかるようで、ピンときていない部分がある。

 

自我と自己
自我 私は私であるという気持ちを支える意識の中心。自分にとって当たり前の自分
自己 無意識と意識を合わせて完成した「心そのもの」
自我は意識だけを支えているが、自己は心の全てを支えている。
あらゆる元型の最上位に位置する究極の元型

自我はコンプレックスに影響を受けやすい。
自我の願いは私は「私が正しいと思える人間」でありたいという事
自我がコンプレックスに潰される前に自分を守ろうと、そのコンプレックスを他人に放り出し、急場しのぎのごまかし〈投影〉をしようとする。
自我が自己を対等に向き合い補い合うような努めなければ、本当の完成した心にはなれない。

 

さあ、ユング心理学がよくわかる本を読んで、ユングの主張を断片的に知る事ができた。

人間が何かを感じる時、ある現象が心のフィルターを通る時に感情が生み出される。

感情のコントロールがうまくいかない時、心のフィルターを少し掃除しなあかんよという感じでしょうか。

ふと感じた「無意識を認知する事で意識に変わり、また新たな無意識が生まれるのでは?」という疑問。

人の心は宇宙のようにどんどん広がっている。そんな気がする。

無意識を認知するスピードよりはるかに早く広がっている。

無意識の中に眠っていた聖闘士星矢が僕に叫んだ

「コスモを燃やせ!」

その声はユングの声のようにも思えた。

 

聞いた事ないけど。

アドラー心理学入門

心理学について興味がでてきた。

アドラー心理学入門を読んでみた。

「目的論」

「人は原因によって後ろから押されて生きているのではなく、目的を設定しそれを追及する」

たとえば、怒るという行為も子供の行動につい怒ってしまった。というのは原因論。

そうではなく、怒るタイミングを見計らっていて子供の行動をきっかけとして怒っているのだという。

「感情が原因で行動が結果であるとは考えません。私たちが感情をある目的のために使うのであって、感情が私たちを後ろから押して支配するとは考えません」

「感情はこのように私たちの心の中にあるのではなく、私たちと相手の間にあるのです」

目的や目標がまずあってその目的の実現のために行動したり、感情とか思想を創っている。そうだ。

ついカッとなって殴るのではなく、殴ろうと思って感情を使って殴るのだ。

 

「ほめるのではない」

「褒めるというのは、能力のある人が能力のない人に、あなたは良いと上から下へ相手を判断し評価する言葉ですから、下に置かれた人は愉快ではないのです」

褒められる事に過剰に反応し、それがまたプレッシャーになるという。

たしかにわからなくもない。

「子供達はあたかも、自分を実際よりも大きく見せるために、つま先でたち、そしてこの簡単な方法で、成功と優越性を得ようとしているかのようである』とアドラーはいう」

「普通である勇気がないので、特別に良くなろうとして、これが果たせない場合、特別に悪くなろうとするのである」

ようはかまって欲しいのである。

アドラーはこのような意味での優越性の追及、すなわち、ことさらに他の人よりも優れていなければならないと考える優越性の追及を優越性コンプレックス、そしてこれの対となるのが劣等コンプレックスで優越コンプレックスがこれを隠していることがある、と考えます」

異常に自慢するやつ、異常にマイナス思考なやつ、ようはみんなかまって欲しい為の手段なのだ。

ではどのように子供を育てていけばいいのか?

「評価するのではなく、喜びを共有すること、自分の気持ちを伝えることは勇気づけになります。当たり前だと思って見逃しがちな行為に対して『ありがとう』とか『うれしい』とか『助かった』といってみます」

とてもシンプル。でも下心があって使ってはいけない。ありがとうと言われたいが為に、善いことをする。という感情は再びそれがプレッシャーになるという。

存在していること。それだけで良いのだ。生きていることにありがとう。

日常でなかなかこれを伝えるのは難しい。。

というのも、親自体がそのような穏やかな感情でないと言えないよね。気持ちのこもった「ありがとう」

 

「課題を分離する」

勉強しない。これはだれが困るの。そう、本人。

親の問題やないよね。勉強しなさい。と言われることは、子供の課題に踏み込んだことになる。すると子供との衝突は避けることができない。

見守るということはとても忍耐力がいる。

自分で必要と思えば、飯も食うし、風呂も入るし、勉強もする。

子供に教えるのは勉強することが、自分の為になるよという事を悟らせる事。

親と心理療法士はやるべきことは似ているのだ。

 

「横の関係と健康なパーソナリティ」

「教師と学生は同じではありませんが、人間としては対等なのです」

「問題は、人がもはや親からの保護を必要としなくなっても、なお親からの保護を求め自立しようとしないことがあるということ」

「頼まれもしないのに口出しをし、手出しをすることは自分の優越感を満足させるだけの行動であって、相手を対等の存在とは見ていないのです」

親も親、子も子の問題に向き合い、前に進んで行く。エゴは人を不幸にさせる事がある場合があるということでしょうか。。

「あるゆる人と対人関係の中で横の関係でいられるとすれば自分をよく見せようという努力をしなくてもいいことになる」

自己受容

まずは自分を受け入れること。「大切なことは何が与えられているかではなく、与えられているものをどう使うかである」

他者受容そして他者貢献

でも他者に自己を支配されてはだめ。非常に距離感が難しいなと思う。

人間は一人では生きていけない。集団のなかで自分の居場所を見つけることができれば、自信もてますよ。ただ、特別である必要はないからね。今のあなたでいいの。

一人一人自分を見つめゆっくり前進していこうやないか。的な感覚か。

 

ギリシャ哲学とアドラー

アリストテレス

彫像を作るには粘土(素材因)が必要で、製作する彫刻家(作用因)がいないといけない。そしてモデルもしくはイメージ(形相因)がいる。さらに、そもそも彫刻家が作ることを望まなければ彫像は存在しない。なんらかの目的のために作ろうとする(目的因)がいるのである。

この「目的因」はソクラテスが獄に留まる「真の原因」に相当する。

甘やかされた子供がいるとする。甘やかす母親は「作用因」である。甘やかす親を「善し」と判断した場合、自分にメリットがあると判断した時、その働きかけを自分の目的のために使うのだ。

善い=ためになる *ギリシャ語でいうところの

悪=ためにならない

「誰一人として悪を欲する人はいない」ソクラテス

ここまできて思うのは自分の善と他者、社会の善が同化できればとても幸せになるのではないか。ということ。

そのプロセスとして、自己受容→他者受容→他者貢献ではなかろうか。

 

私的感覚としての世界はたしかに個人が構成したという意味では仮想であっても、それとは別の絶対的な基準となるような世界を想定し、それのみが真実であると考える必要はない」

「個々の場面でそれぞれが私的感覚を持っている者同士が共通の言葉を探し出して、より『善く』生きる方策を探し出していくしかないのです」

万能の勇気づけの言葉は存在しないということ。

「勇気づけは相手と共に構成された現実のなかでのみ意味をもつ」

 

「劣等コンプレックスは、心の中で起こっている現象ではなくて、このようにむしろ対人関係の中でのコミュニケーションのパターンに他ならず、人生の課題を回避するための口実を持ち出すこと」=人生の嘘

「実際には何も因果関係のないところに、因果関係を見出すということですが、そうすることの目的は、自分の行動の責任を他の者に転嫁すること」

「私たちは経験によって決定されるのではなく経験に与えられた意味によって自分を決めるのである」

厳しい。でも勇気があればいつでも自分を変えられる。変わろうと思えるかどうか。

「わかっているができないという時、実はできない(cannot)のではなく、したくない(will not) のです」

自分で人生を作っていくのである。

「一般的な人生の意味はない。人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ」アドラー

挑戦しないのはやればできるという可能性を残しておきたいのであって、実際に勉強してできないという現実に直面することを恐れるのです。

自分が本当に望んでいることはなにか?

自由であるということは、それに伴う責任も引き受けるということでもある。

「鳩が飛ぶのを妨げているかのように見える空気は実は鳩が飛ぶのを支えている。何もないとこには自由はなく、抵抗があるからこそ自由であることができる」

 

楽天主義 何が起こっても大丈夫だと思い何もしない

楽観主義 現実を見据える。現実をありのままに見て、そこから出発する。

「今日ここでこうして接しているこの人との関係を少しでも変えようと努めることが、ひいては全人類を変えることにつながる」

 

心理学の世界に少しずつ踏み入れているが、実際人と話していて相談や愚痴を聞いている時、今までとはまた違う聞き方をしているなと実感している。

この人の無意識な部分。本当は何を求めているのか?今、どのような言葉をかけることが、気づきにつながるのか?

脳の細胞たちがぐわっと活動している感覚。おおげさかな?

とても面白い。ただわかった気になって思考を止めたり、自分の出した結論に固執すると失敗するのだろうなとも思っている。

何事にも謙虚さが大切なのだ。

 

 

心理療法個人授業

心理療法、心理学、精神分析、、

何となくわかりそうで、わかっていない心の研究について、生徒(南伸坊)生徒が先生(河合隼雄)に質問を投げかけて、それに対しての先生の説明があり、生徒が感じた事を記し、最後に先生がレポートを読んで一言コメントという授業の流れ。

 

心理療法の流れは大きく分けて医学と教育という2つのアプローチがある。

心の問題は医学の病気ではないという当時の常識に対して、医学でアプローチした事によって世に認知させた。

興味深いのはフロイトはとにかく治そうと研究を重ねる。一方シャルコーは治す事に興味なし。あくまでも現象の解明の研究として催眠術をうまく使う。

そこだけ聞くとフロイトの方に好感が持てるが、アカデミックでないと医学からは認められない。治す事に関心を持つと人間関係が成り立つ。すると客観科学でなくなってパターン化しにくい。

アカデミズムは外的事実がしっかりしていないとダメという事。

しかしナチスに追われアメリカにユダヤ人が流れる事で変化が起きる。

アメリカではフロイトを受け入れ、精神分析はアメリカの大学では心理学に受け入れられた。

そこでカウンセリングなんかとミックスされて独自の発展をしていく。

戦争帰還者のケアにより仕事として需要が高まる。すると精神分析家集団は専門性を高め、エリート集団となっていく。診察料も上がる。

するとどんな事が起こるかというと精神分析を受けるという事がステータスになってきた。なんのこっちゃ。

そんな時、カールロジャースという人がノンデイレクティブカウンセリングで精神分析はいらない。指示を出さないのが一番という本を出す。ただ聞いているだけで治せる。

おい、営業妨害やないかと精神分析家は当時青ざめたんでしょうか?

まあその後は、アドラー(個人心理学)、ユング(分析心理学)、アメリカで盛んになる行動療法、心理療法などがいろいろなアプローチをしていく。

 

要は何が一番良い方法というのはよくわからないという事がわかった。

ある事例が当てはまったかと思うと、別の人には今度は当てはまらない。

全く人間とは複雑という読めないものである。経済学なんかととても似ているような気がする。同じ人間が営み、これが集団になると余計ややこしいときたもんで。

とにかく人は人の思惑通り、動かないものである。

心理療法はクライアントが自分で解決するためのサポート役で、その人に合わせてカウンセリングしてみたり、箱庭作らせてみたり、時には薬をあげて緩和させたりする。

「不安神経症の人はその不安がどこから来るのかわからない事に悩む。その不安を自分の物語の中に入れて、納得がいくように語る事ができない。色々話し合って調べていくと自分の過去や現在の状況、意識していなかった心の働きなど調べているうちに、発見があり、新しい視点が獲得される。その上、全体を見渡す事ができ、人生を物語る事が可能になる。その時には症状が消え去っている」

 

人間っておもしろい。もっと深く知ってみたいと思わせてもらえる本でした。